世界No.1の総長と一輪の花 II
「……詩」
「守れなくて本当にごめん」
謝ろうとしたら先に謝られてしまった。
詩優はなにも悪くないのに……。
「……わ」
「俺はいつもお前に危険な目に遭わせてばかりだな…」
またまた話そうとしたら詩優が声を出して、私の声はかき消されてしまう。
「……まっ…」
「本当にごめん……」
詩優は私の前で頭を下げる。
だから
詩優は悪くないの。
悪くないんだってば…!!
私は酸素マスクを外して、体を起こそうとした。けれど起き上がれなくて…
「馬鹿…!!まだ寝てろ…!!」
結局は詩優に体を支えられる。
だから、近くに来た詩優の首に腕をまわしてぎゅっと抱きついた。
「馬鹿は…詩優…だよ……私が勝手に…やったことだから……そんなに…思いつめないで……」
途切れ途切れになってしまう言葉。
それでも大好きな人へ、絶対に伝えたかった。