世界No.1の総長と一輪の花 II
「それにそのままじゃ…キス以上もできねぇだろ?」
にやり、と口角を上げる目の前の彼。
私は詩優の腕をぺちぺちと叩いた。
病院で、しかも病人になんてことを言うんだ。
この人は…!!
「うそうそ。待ってるから。ゆっくり頑丈な体に治せよ」
きゅっと右手を絡み合わせるように繋いで、反対の手で優しく頭を撫でてくれる。
大好きな人の優しい手。
元気になってから、詩優に言おう。
“詩優が私を連れ戻してくれたんだよ”
って。お礼をしなくちゃ。