世界No.1の総長と一輪の花 II
私だけが
花莉side
「雷龍のメンバーってお化け役なんでしょ!?」
「そうらしいね!めっちゃ見てみたい!!!」
「脅かしてきたら抱きついてもいいかな!?」
「それいいかもね!!!」
4人組の女の子がそう言いながら1組のお化け屋敷へと入っていく。
続いて京子と公開告白した男の人も一緒に入っていって…
ごくり
思わず息を飲んだ。
だって、お化け屋敷(1組の教室の中)からは「きゃーーーー!!!!」という絶叫が聞こえてくるから。
それに、私はお化け屋敷があまり得意ではない。
暗いところならまだしも……お化けは少し、いや…かなり怖い。
実際にお化けを見たことがあるわけではないけど…以前従兄妹の冬樹くんと"心霊特集"をテレビでみて、それから怖いと思うようになってしまったんだ。
それからホラー映画だって、心霊番組だって1人でみられなくなってしまった…
「い、行くよ…花莉…」
「う、うん……」
私と明日葉は受付の人から懐中電灯を渡されて、ゆっくり中へと足を進めようとした
その時、ガラっと出口の扉が開いた。
その音にびっくりして、一瞬にしてドキドキドキドキと心臓が早鐘を打つ。