世界No.1の総長と一輪の花 II
「詩優、早く妃芽に」
竜二さんが詩優にそう言うと、「…あぁ」と返事をする詩優。
「花莉」
カタン、と詩優は椅子から立って私の前で止まる。
「…花莉、もう一度…雷龍の姫になってほしい。
今度は絶対離さねぇし、俺らが全力でお前を守る。危険な目になんてあわせねぇから……
だから、雷龍の姫になって…」
詩優は真剣な目で私を真っ直ぐに見つめる。
その真剣な目を逸らすことなんて絶対にできない…
"雷龍の姫"
それは私にとって本当に大切な居場所……
だから、もう一度なれるのなら…
迷いなんてない。
「…はい…っ!!」
そう答えるとやっぱり涙は止まることなく溢れ出て、みんなが優しく撫でてくれたり涙を拭ってくれたり。
「本当にありがとう」
詩優は嬉しそうに微笑んだ。