世界No.1の総長と一輪の花 II
「危なくなんてないもん」
「誘拐される」
「…そんなことされないもん」
「お菓子あげるからおいでって言われたらついて行くくせに」
「そんなにバカじゃないよ!!!」
「……」
…ついて行きそう……
っていうか
「俺がお前を独り占めしたいから行くな」
花莉はピタリと動きを止めて、真っ赤な顔で俺と目を合わせる。
…逃げない…?
そう思って花莉の手を離してみたら
勢いよく扉を開けて走っていく花莉。
予想外な行動で、彼女の後ろ姿を見送ってしまった。
「…まじか」
隙をつかれるとは思わなかった…
でも、
簡単に俺から逃げられると思わねぇ方がいいと思うけど?
俺も空き教室を飛び出して、花莉の後を追う。