世界No.1の総長と一輪の花 II
*
「やっぱり俺も一緒に行く」
「だめ。会合あるって言ってたでしょ」
「………さぼる」
「総長がいないとだめでょ!!」
私がそう言うと詩優はしょんぼりして、怒られた仔犬のような悲しい表情をしていた。
…可愛いけど……だめなものはだめなんだ。
「何かお土産買ってくるからいい子にお留守番してて?」
ソファに座った詩優の頭をゆっくり撫でてあげる。
「…お土産はいいから無事に帰ってきて」
「…危ないところに行くわけじゃないよ?」
「向こうは治安悪ぃの。もし何かあったら雷龍を頼るよりも先に紫苑を頼った方が早い。
五十嵐の連絡先教えとくから」
「あ、大丈夫!!真理亜から教えてもらったの」
「姫同士仲良いんだな」
「えへへ」
実はメールもよくしてるんだ。
最近のこととか、恋愛のこととか……真理亜は『3回目のえっちは?』なんて聞いてくるけど…
わ、私だって詩優としたくないわけじゃない。
ただ…最近詩優と一緒に寝るだけで襲われることもないから……そういう雰囲気にならない。