世界No.1の総長と一輪の花 II
さっそく、バタークッキーを1つ手に取って口へと運ぶ。
「美味しいっ!!!!」
口の中にバターの風味が広がって、次々に食べたくなる美味しさ。
「良かった。花は甘いものが好きだから買っておいたんだ」
冬樹くんは本当に私の食の好みをわかっている。
「ありがとう!!」
笑顔で返すと、何故か冬樹くんに目を逸らされてしまった。
わけがわからず私はマグカップに手を伸ばして、はちみつ入りのアップルティーを一口口に含んだ。
はちみつ入りアップルティーは優しい甘さでとても美味しい。
温かくて何だか心が落ち着く。
落ち着いた今、
……冬樹くんに話したいことならたくさんある。
"鳳凰"が解散した今どこかの暴走族に入っているの?とか、私が海斗さんに首を絞められた時…冬樹くんも助けに来てくれたことのお礼とか……
あのあと……冬樹くんは絶対に無傷では済まなかったはずだ。"鳳凰"の総長である海斗さんを裏切って止めようとしたんだから……
私が今、生きているのは冬樹くんと詩優のおかげなんだ。