世界No.1の総長と一輪の花 II
「…ところでさ」
私より先に口を開いたのは冬樹くんだ。
目の前の冬樹くんを見ると、とても真剣な表情。
次の言葉が気になって思わず息を呑んだ。
「花はまだ…雷龍の姫?」
冬樹くんは何でそんなことを聞くのか、よく分からないが……
「そう、だよ…」
ちゃんと答えておく。
「そっか!夜瀬とは順調ってことかー!!」
それから、あはは!と笑う冬樹くん。
その笑顔が、何だか無理して笑っているように見えて何だか不安だ……
…私の気のせいかもしれないけど……
ガチャリ
玄関の鍵が開く音が響く。
その後に
「ただいまー」
というお母さんの声が聞こえてきた。
久しぶりに聞いた声。