世界No.1の総長と一輪の花 II
『うそだから』
笑いながら言う詩優は絶対面白がっていると思う。
"ひどい!!"と言おうとしたところで、公園への横を通り過ぎる男女の笑い声が聞こえてきた。
『…誰かいんの?』
「あ、えと…公園に来てて……今近くを人が通り過ぎただけだよ」
『あほ。危ねぇだろうが。早く部屋帰れ』
「…わかった…」
『無事に部屋に着くまで電話繋いどくから』
「…心配症だね、詩優は」
私は公園からお母さんのアパートへと向かう。
『もっと声が聞きたかっただけ』
「…っ!!!!」
思わずピタリと足を止めた。
詩優もそう思ってくれていたことに驚いたから。
『…頼むから何か言って』
「あ…えと……」
熱くなっていく…
詩優の言葉が嬉しくて……
『……おーい』
「…同じこと思ってたからびっくりしただけ…だ、よ」
『……あー…もう……今すぐ迎えに行きたい』
「…だめ。総長のお仕事あるんでしょ?」