世界No.1の総長と一輪の花 II
ずっと昔から
「それじゃ、行ってくるわね。出かけるんだったらここに鍵置いておくから戸締りよろしくね」
「行ってらっしゃい!」
お母さんはテーブルの上に鍵を置いてから玄関で靴を履く。
「冬樹くんが夕方に夕飯を作りに来てくれるらしいから、花莉も一緒に食べましょうね」
「うん!!」
それからお母さんは仕事へと行ってしまった。
もう一泊することになったのはいいけど……
暇だ。
昨日の夜中、今日何をしようか考えていたのに何も思いつかなかった。
私って普段何してたっけ…
雷龍の倉庫に行ったり、京子と明日葉と遊びに行ったり……詩優や竜二さん、倫也と話したり……
それ以外は……
ご飯を作ったり。
そうだ。ご飯を作ればいいんだ。
…冬樹くんの方が美味しいご飯が作れるからこの際教えてもらおう。