世界No.1の総長と一輪の花 II







「花?」




確かめるように聞こえてきた声。
声のした方を見ると





「冬樹くん…!!」





ビニール袋を両手に持った冬樹くんが公園の前にいた。
買い物に行ったあとだろうか。






「冬樹くんもう来てくれるの!?早いね!!」



「今日は急遽バイトが休みになったからね。まぁ、代わりに明日になったけど……
花は帰る準備できた?」






「えと…もう一泊することになったんだ……だから今日は料理教えてほしくて…だ、だめかな…」






冬樹くんと目を合わせると、何故か逸らされる。
…教えるのはめんどくさいからだめだということだろうか……






「……」






数秒間黙り込んだ後に、冬樹くんは






「…いいよ!!」





と笑顔で答える。
でもその笑顔は…昨日一瞬見たような無理したような笑顔。






「あ、えと……無理しなくても…」





"無理しなくてもいいのに"
と私が言いかけたところでぐいっと私の肩に腕を回されて「ちょっと来ぃや!!!」と言われる。






肩に腕を回してきたのは真理亜。





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