世界No.1の総長と一輪の花 II
女性の店員さんはそんな私たちを見て
「仲のいいカップルさんですね」
と笑った。
……っていうかカップルって…
「あ、えと…その、私たち恋人じゃ……」
"恋人じゃない"と否定しようとしたところで、冬樹くんは私の手に自分の手を重ねて
「ありがとうございます!まだ僕たちは付き合って間もなくて…そう言っていただけて嬉しいです」
さっきとは少し違う笑顔でそう言った。
さっきと少し違う笑顔…というか営業スマイルと言った方がいいだろうか。
「そうなんですねっ!!デート楽しんでくださいね、ごゆっくりどうぞ!」
ほんのり頬を赤く染めて店員さんは微笑んでから行ってしまう。
「ごめんね、花。あぁやって言った方がいいかと思って」
ちらりと冬樹くんが店内に貼ってあるポスターを見る。私もそのポスターを見ると、そこには
『今ならなんとカップル割引!!10%オフ!!さらにプリンアイスがついてくる♡』
とかかれていた。
…なるほど。