四つ子の計画書
ガラッと教室のドアを開けた途端、クラスメイトからの視線を一気に感じた。
何……?この空気…。
私…もしかしていじめられるの?
一瞬そんなことも考えたけど、すぐに違うとわかった。
皆の視線は、全て気まずそうな…可哀想な子を見るような目だったから。
「真莉、おはよ。席座りな」
友達の柚希が、ドア付近に立ち止まったままの私の手を引いた。
席につくと、皆は私から視線を外す。
「ねぇ、柚希…私なにかしたかな…?」
「は?どうしてよ」
「だって……皆からの視線が…」
「あー、それね。あんなニュースが放送されたんだもん。無理はないわ」
ニュース?私に関係するニュースなの?
そう聞きたいけど、上手く声が出ない。
すると、柚希はそんな私を見て、ふっと笑った。
「知りたいなら教えてあげるけど、無理に知ろうとしなくていいんじゃない?まだいつなるかわからないんだし」
「でも……」
「でも?」
「ちょっと怖い…」
「だろうね。あ、そういえば今日実莉は来てないの?」
「うん、朝に高熱出しちゃって」
「実莉も大変ね」
何気ない会話をして、朝の時間を過ごした。