四つ子の計画書



それから数日、私はその数日をほとんど泣いて過ごしていた。



福井くんを信用仕切っていて、好きにまでなっていた自分をバカだと思う。




でも、心の隅で…心配していた。





福井くんはどこ……?




死んでなんかいないよね?





その考えが頭をよぎりっぱなしで、自分の解剖日時がどんどん迫ってきていることさえ、気づいていなかった。




あと20日ほどしか、自由はない。




そして、脱出計画は順調に進んでいった。




頭の良い那奈ちゃんが皆を仕切るリーダーとなり、どこで待機するかを決めた。




まず、朝早くに起きて、皆で集まる。




元々着ていた衣服を裏庭の倉庫に隠し、裏口の鍵を確認する。




閉まっていれば、なにか道具を使ってこじ開ける。



もし開いていれば、そこから皆で裏庭へ行き…巨大な網を破って外へ出ようと。



閉まっている確率が非常に高いのと、施設の人に気づかれる確率が高い。




だから、命懸けなんだ。





皆、死ぬ覚悟が出来ているから…脱出計画に参加している。





反対している人も、もちろんいた。




だけど…、どうやったのか、気づけば全員が賛成していたんだ。




私と実莉の解剖日時が近づいているから、脱出計画の実行もかなり近い。




上手く行けばいいんだけど……。




そして、次の日。




ついに、実行する日が来てしまった。




「皆、慎重にな。死ぬ覚悟も持っておかないといけない。そこだけは忘れるな」



那奈ちゃんが元々着ていた衣服を袋に詰めた後、皆にそう指示した。



そして、私と実莉は準備を済ませ…個人部屋を出た。


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