四つ子の計画書
少しして、音子ちゃんが言っていた左に曲がる角が見えてきた。
走る速度を弱めると、拳銃の音が鳴り止まない向こう側をちらっと見る。
「嫌だっ…お兄ちゃん!!死なないで!!うああぁ!」
「瑠奈…!お願いだから目を開けてよ!!ねぇ!!」
悲痛な声も同時に聞こえた後、3発の弾を撃ったような拳銃の音が聞こえた。
耳を塞ぎながら、ちらっと横目で見ると…赤く染まった死体がいくつか床に転がっていた。
拳銃で撃った施設の人は、スマホを取り出してどこかへ電話すると、そのまま奥へと消えていく。
「……酷い…、こんな…」
死体を見つめ、目が涙で滲む。
同時に、胃から逆流してくるものを必死に堪えた。
「…うっ……っ」
だめ……なのに…。
なにこれ……気持ち悪い……。
その場にうずくまり、口元を両手で押さえる。
潤んでよく見えない視界を必死に見つめ、どこかに隠れられそうな場所を探す。
もう…だめかも。
力無く倒れそうになったときだった。
ふわっと体が宙に浮いたと思えば、スッと瞼に影が出来た。
なんだろう…?
ごめんなさい、今はもう…目が開けられなくて……。
そして、私は意識を手放してしまった。