四つ子の計画書
「ん……」
「あっ!…大丈夫?」
目が覚めると、一番に視界に入ってきたのが真っ白な天井。
そして、その横には女の子の顔があった。
「あ……はい」
起き上がると、そこは近くのベッドルームであることがわかった。
ベッドの上で寝ていたようで、女の子がにこっと微笑みかけてくれる。
「良かった~……このベッドルームに逃げ込んだら、苦しそうな表情をして寝てたから、心配したよ…」
「え?あ…もしかして、ここまで運んでくれたんですか?」
かなり曖昧だが、記憶が残っている。
倒れそうになったとき、誰かが私の身体を抱き上げてくれたような……?
「ううん、私が君を見つけた時には既にこの部屋にいたんだよ。誰かが親切に運んでくれたんだろうねっ」
「あ…そうなんですか」
改めてよく女の子を見ると、すごく可愛い子だった。
前髪は真ん中で分かられていて、崩れないようにヘアピンで止められている。
後ろ髪はポニーテールで結ばれているようだった。
「名前言ってなかったね!私は桑田遥っていうんだよ~。えっと…真莉ちゃん…だよね?」
「え?あ、はい。会ったことありますか…?」
「うーん…多分無いと思う。廊下ですれ違ったことはあるよ!可愛い容姿だったからすぐに覚えちゃった」
遥さんはそう言うと、窓から廊下の様子を見た。
「真莉ちゃん、もう体調は大丈夫?」
「大丈夫です。……あ!あの…私、大切な人を助けにいかなくちゃいけなくて……」
そうだった、こんなところで寝ている場合ではない。
一秒でも速く、福井くんを助けにいかなくちゃいけないのに……。
「それなら、一緒に行動しない?私、今ひとりだから心細くて」
「わかりました!とにかく、早くいかなくちゃ……」
「ふふっ、よっぽど大切な人なんだね?その人に恋してるみたい」
「え…?」
「その人のこと、好きなの?」
好き……。
だけど、きっと好きになったらいけない人だったんだ。
福井くんは一般の人とは違う、なにか特別なオーラを放っている。
「好き…ですけど……、きっと、その気持ちはだめなんです」
「へえ…どうして?」
「福井くんは……、私とは次元が違うから…… 」
「ふーん…。そんなことないと思うけどなぁ。でも!!大切な人には変わりないんでしょ?」
遥さんの言葉に、こくっと頷く。
「だったら、助けにいかないとね!さあ、行こう!救出だ~!」
な、なんだか楽しそうに言ってる……。
だけど、とっても頼れそう。
私と遥さんは、小走りで部屋を出た。