四つ子の計画書
気持ち良い風が長い髪の毛を揺らす中、私は目の前の彼の声に耳を傾ける。
「この施設を出て、敷地の外に出るまで…絶対に歩いちゃいけないよ」
「あ、歩いちゃいけないの…?どうして?」
「歩いて、ゆっくり進んでいたら爆発に巻き込まれてしまうかもしれないでしょ」
そう言って微笑んだ梨乃くんは、寂しそうにまた口を開いた。
「敷地を出る直前、これを開けて見てね」
手渡されたのはなにか丸い形をしたもの。
あ…知ってる。
これって、開けるんだよね。
海外映画とかでよく見るやつだ…。
私は、はっとしてポケットからさっき使った鍵を取り出した。
鍵には首にかけられるくらいの長いチェーンがついている。
これを付け替えたら、首にかけてペンダントみたいに出来るんじゃないのかな?
梨乃くんからそれを受けとると、チェーンを付け替えた。
それを梨乃くんが私の首にかけてくれる。
「今までよく頑張ったね。辛かったでしょ?色々…」
「え…?」
なにか嫌な予感がする。
一体、この胸のゾワゾワするのは何…?
その嫌な予感はすぐに的中した。
「僕はここに残るよ」