復讐寮~罰ゲーム~
これ以上反発すると、更に自体が悪化して行く気がする。


友樹は下唇を噛みしめて上体を起こし、どうにか亜沙美に近づいた。


「1人じゃできないっていうから、あなたが平方さんの頭を洗面器に沈めてあげて?」


その言葉に、友樹は左右に首を振った。


「そんなこと、できません……!」


「本当に? できないなら、あなたの腕をもう一本へし折るけど、それでもいい?」


カヤ先輩の言葉を待っていたように3人の先輩が友樹へと近づいて行く。


「なに言ってるんですか? こんなの許されないですよ!」


あたしは思わず声を上げていた。


亜沙美が熱湯に顔を沈めるか、友樹がもう片方の腕を折られるか、選べと言っているのだ。


「そんな心配をしているの? 大丈夫、あたした許すから」


カヤ先輩はそう言い、おかしそうに声を上げて笑う。


その笑い方は異様で、あたしは息を飲んだ。


他の生徒たちは誰も助けに来ないし、どう考えてもおかしい。


カヤ先輩の取り巻きたちだって、こんな残酷なことをしておいて反対意見が出ないのは妙だった。


なにか裏がありそうだ。


でも、それがなにかわからない。


あたしはゴクリと唾を飲み込んで亜沙美と友樹へ視線を向けた。
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