復讐寮~罰ゲーム~
その目からはボロボロと涙が零れ落ちて行く。


その間にも友樹の腕はねじ上げられている。


早くしないと、本当に折れてしまう!


緊迫した空気があたしたちの間に流れて行った時……。


「ごめん友樹……できない」


涙に濡れた声で亜沙美が言ったのだ。


友樹が目を見開いて亜沙美を見つめる。


「こんなことできないよ!」


「へぇ? じゃあ、彼氏の腕が折られてもいいの?」


カヤ先輩の言葉に、亜沙美は大きく頷いた。


何度も何度も、繰り返し頷く亜沙美。


自分の身を守るために、彼氏を売ったのだ。


「冗談だろ亜沙美!」


友樹が唾をまき散らして叫ぶ。


「それじゃあ、彼氏の腕を折ってもらいましょう……と、いいたいところだけれど」


え……?


カヤ先輩が不適な笑みを浮かべて亜沙美を見つめた。
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