復讐寮~罰ゲーム~
「優歩、あんた心当たりがあるんでしょ?」


そう聞くと、優歩は我に返ったようにあたしへ視線を向けた。


その動作はひどくぎこちない。


「俺は……なにも……」


そう答える声が震えている。


明らかに嘘だった。


「自分から友達に告白してもいいのよ?」


震えている優歩へ向けて、カヤ先輩が優しく声をかけた。


しかし、優歩は小刻みに左右に首を振っている。


「これはあたしからの優しさよ? あたしから友達にバラしていいの?」


その質問にも、優歩は左右に首を振った。


「どちらもダメだなんて、そんなのは通用しないから」


カヤ先輩はため息交じりに言うと、袋の中から優歩のスマホを取り出した。
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