復讐寮~罰ゲーム~
あたしはハッとしてカヤ先輩が持っている袋へ視線を向ける。


あの袋を奪い取ることができれば、外部に連絡を取ることができる!


でも、部屋の中にはカヤ先輩以外に3人の先輩がいて、廊下にも5人の先輩が立っている状態だ。


下手に動いたら、すぐに捕まってしまうだろう。


あたしは黙ってカヤ先輩の様子を見守った。


「みんな、この動画を見て」


カヤ先輩はそう言って優歩のスマホをみんなが見えるようにかざした。


「やめろ! やめてくれ!!」


優歩は必死で声を上げるけれど、カヤ先輩は聞く耳を持たなかった。


スマホの画面には動画が映し出されていて、周囲は暗くなっているけれど見慣れた景色を撮っているのがわかった。


「これ、女子寮じゃない……?」


あたしは動画をマジマジと見つめて呟いた。
< 114 / 195 >

この作品をシェア

pagetop