復讐寮~罰ゲーム~
手で覆い隠した右目から、ボトボトと血が流れ出してくる。


その血は瞳の手をあっという間に真っ赤に染めた。


「どうするの大岸くん? この子のもう片方の目も潰すけど?」


カヤ先輩の言葉にあたしは目を見開いた。


「もう片方の目って、どういうことですか!?」


「そのままの意味よ? 人間の目は2つでしょ?」


あたしの質問に何でもないように答えるカヤ先輩。


「そんな……!」


唖然として言葉を失っていると、優歩がゆっくりと顔を上げてカヤ先輩を見た。


その顔は真っ青で、頬には行く筋もの涙の跡がくっきりと残っている。


「……わかりました」


ガラガラに乾いた声で優歩は答え、テーブルの上のアイスピックを握りしめた。


「優歩……」


うずくまったままの瞳が呟くのが聞こえて来る。


優歩は両手でアイスピックを握りしめ、その様子をカヤ先輩は動画撮影しはじめた。
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