復讐寮~罰ゲーム~
例えお金が用意できなくても、ここから逃げることができれば警察に相談できる!


「お金じゃないのよ」


「え……?」


カヤ先輩の言葉にあたしは目を見開いて動きを止めた。


「報酬は、お金じゃないの」


「じゃあなんですか? なんでも用意します!!」


こうやればもうヤケだった。


たとえ自分たちに準備できないものだとしても、引くわけにはいかない。


「それよりも、次は誰にしようかしら?」


カヤ先輩はあたしと真仁の言葉に耳を貸さず、部屋の中を見回した。


「もうやめてください! 先輩たちは誰に踊らされてるんですか!?」


「踊らされてる……?」


あたしの言葉にカヤ先輩が顔を向ける。


「そうです! カヤ先輩はこんなことできる人じゃない!」


そう言うと、カヤ先輩は一瞬間を置き、そして盛大な笑い声を上げた。


本当に可笑しそうに、目に涙を浮かべて笑うその姿は異様だった。
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