復讐寮~罰ゲーム~
「なんで……あたし!?」


咄嗟に瞳は逃げ出そうとする。


しかし、それはうまくいかずに簡単に取り押さえられた。


「あなたの罪はここにいる全員が理解しているはずよ」


あたしは床に押さえつけられている瞳から視線を逸らせた。


瞳の罰は喫煙とボヤ騒ぎだ。


「ごめんなさい! もうタバコはやめますから! だから許して!」


瞳は懸命に謝っているが、誰も聞く耳は持たなかった。


「あなたがボヤの後タバコをやめていれば、まだ許せたかもしれないのにね?」


カヤ先輩は立ち上がり、憐れんだ視線を瞳へ投げかける。


「瞳はもう片目を失ってます!」


このままやられっぱなしは嫌で、あたしはそう言った。


カヤ先輩がクルリと振り向いて、首を傾げる。


「それはこの子の罪じゃなくて、大岸くんの罪だから関係ないの」


「そんな……!」


「大岸くんがさっさと罪を認めないから、こんなことになったのよ」


カヤ先輩は瞳へ向き直り、そう言った。
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