復讐寮~罰ゲーム~
瞳は両手でカップを持ち上げて、それをゆっくり口に運んでいく。


「瞳……!」


止める暇もなく、瞳は一気に真っ黒な液体を飲み込んだのだ。


激しくせき込み、目に涙を浮かべる瞳。


「ちゃんと全部飲み干してよね」


カヤ先輩に言われて、瞳はえずきながら再びカップを口に運んだ。


中の真っ黒な液体のせいで、瞳の口の中も真っ黒に染まる。


「うっ……ぐっ……」


小さく嗚咽を漏らしながらも、瞳はカップの中身を飲みほしたのだ。


カヤ先輩はそれを確認し、ようやく優歩を解放した。


「瞳!!」


解放された優歩はすぐに瞳へかけより、背中をさすりはじめた。


「うっ……げぇ……」


テーブルの下に嘔吐する瞳。


「大丈夫か? ごめん、ごめんな瞳」


ボロボロと涙をこぼしながら優歩は瞳の背中をさすり続ける。


「彼氏のために頑張ったわね。これであなたの罪は終わり」


カヤ先輩はそう言うと、ライターをポケットに戻したのだった。
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