復讐寮~罰ゲーム~
「なにを盗んだの?」


「CDや本……それに、現金も」


カヤ先輩の質問に友樹は素直に答えている。


「まさか、今まであたしに奢ってくれてたのって……」


亜沙美の言葉に友樹は頷いた。


「盗んだお金を使ったり、物を売ってお金に変えてたんだ」


友樹の声が震えた。


今更ながら、自分のやってしまったことの重大さを理解したのかもしれない。


あたしは、友樹の財布に5万円が入っていたことを思い出した。


あの大金はすべて盗んで作った物だったのだ。


あたしは大きく息を吐きだした。


あの時、しつこいくらい友樹に聞けばよかったのかもしれない。


家が裕福じゃないのなら、どうしてそんな大金を持っているのかと……。

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