復讐寮~罰ゲーム~
「あははっ! 本当に面白い動画が撮れて良かったわ」


カヤ先輩はまだ友樹の動画を見て笑っている。


他の先輩たちも警戒心を解いている状態だ。


逃げ出すなら、今しかない!


そう思った瞬間あたしと真仁は同時に立ちあがり、間髪入れずに出口へと走っていた。


カヤ先輩がスマホから顔をあげるのを横目で見て、廊下へ出る。


待ち構えていた5人の先輩たちがあたしと真仁の行く手を遮る。


しかし、真仁は容赦なく先輩たちに拳を振り上げたのだ。


「どけろ!!」


怒鳴り声と共に強引に進んで行く真仁。


5人の先輩たちは振り下ろされる拳にひるんでいる。


これなら逃げることができるかもしれない!


そんな期待が膨らんだ次の瞬間、あたしは背中に激しい痛みを感じて悲鳴を上げていた。


そのままうずくまり、立ち上がれなくなってしまった。


「知枝!」


あたしの悲鳴に気が付いた真仁が駆け戻って来る。


後方へ視線を向けると、カヤ先輩がスタンガンを持ってあたしを見下ろしていた。


どうやら、あれで攻撃されたらしい。
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