復讐寮~罰ゲーム~
確かに、寮内でも学校内でも派手な方かもしれない。


だけど、ここまでやられる筋合いはなかった。


ここでは全員の人権が無視されている。


「真仁ももうやめて! もう充分だから!」


これ以上真仁が苦しむのも見ていたくなかった。


これなら自分が犠牲になったほうがまだマシだ。


「もう切り終わるのね。さすが、愛の力?」


カヤ先輩は真仁の様子を確認してそう言った。


「やめてってば!!」


叫んでみても、真仁は止めなかった。


まるでそれが自分の使命であるかのように、繰り返し腕を動かしている。


そしてついに、真仁が手を止めた。


同時に血にまみれた塊がボトリと音を立てて落下したのを見た。


「真仁……」


呆然として呟いた時、先輩たちの手があたしから離れた。


それでもあたしはその場から動くことができなかった。
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