復讐寮~罰ゲーム~
だけど部屋の中にいるのはグッタリしている友人たちと、感情を失ったような先輩たちしかいない。


「誰か!! 誰か来て!!」


叫んでも無駄だと分かっているのに、叫ばずにはいられなかった。


背中に抱きついてくる先輩をどうにか振り払おうとするが、ビクともしない。


どこからこんな力が出て来るんだろう。


「土川くんを起こして」


カヤ先輩はあたしの前にしゃがみ込むと、他の先輩へ向けてそう命令をした。


「なにをする気……?」


怖くて、情けないくらいに声が震えていた。


カヤ先輩はあたしの眼前に真仁のソレをかがげ、ニヤついた笑みを浮かべている。


「うぅっ……」


小さな唸り声が聞こえてきて視線を向けると、水をかけられた真仁が意識を取り戻したところだった。


「真仁……!」


「知枝……?」


一瞬状況が理解できなかったようで、真仁は瞬きを繰り返している。
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