復讐寮~罰ゲーム~
☆☆☆

それから瞳の服を着た亜沙美は本物のOLのようだった。


タイトスカートから伸びるスラリとした足に、自然に視線が向かう。


残念ながらストッキングは持っていなくて、素足だった。


「ハイヒールは持ってる?」


「うん。持ってるよ」


亜沙美が比較的地味なハイヒールを用意し、念のためにマスクをつけて準備は整った。


寮からコンビニまではほんの5分ほどの距離だが、亜沙美は緊張した様子で寮を出た。


あたしと瞳は亜沙美から少し離れて歩き出した。


ハイヒールに馴れていないせいか、亜沙美の歩き方はぎこちない。


それでも背筋を伸ばし、自信満々のOLを演じているのがわかった。


亜沙美はそのままコンビニに吸い込まれるように入って行き、あたしと瞳は同時に足を止めた。


学校が近いため、あたしたちの顔はバレている。


一緒に入って行くと止められるのが目に見えていた。


「大丈夫かな……」


瞳はソワソワして落ち着かない。


自分のタバコがかかっているし、もしバレた時に亜沙美が怒られないか心配なのだろう。


「きっと大丈夫だよ」


あたしはそう言い、コンビニの入り口をジッと見つめたのだった。
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