復讐寮~罰ゲーム~
怖いという感情よりも、捕まえたいという感情が上回っていた。


「やめなよ知枝!」


そう言う瞳の声を無視し、勢いよく窓を開ける。


そのままの勢いで外を確認してみると、野良猫が一匹逃げてくのが見えた。


それを見た瞬間、一気に肩の力が抜けていく。


さっきの物音は猫の仕業だったみたいだ。


「なにかいた?」


不安そうな声で聞いてくる亜沙美。


「猫だった」


ホッとしてほほ笑み、あたしは窓を閉めたのだった。
< 54 / 195 >

この作品をシェア

pagetop