復讐寮~罰ゲーム~
☆☆☆

「南が調子に乗ってるの」


ベッドの中、あたしは隣の真仁の温もりを感じながら言った。


「南って、田中?」


「うん。あの真面目女、カヤ先輩に気に入られようと必死なんだと思う」


「別にいいだろ。カヤ先輩も田中も、俺たちには関係ない」


そう言い、真仁はあたしの髪の毛を撫でた。


「そうだけど、なんだか目障りなんだよね」


寮内を仕切っているつもりでいるのが、癪に障るのかもしれない。


「俺は今を楽しめたら、それでいい」


真仁はそう言い、あたしにキスをしてきた。


ネットリと絡み付くような濃厚なキスに、苛立ちが徐々に取り払われていくのを感じる。


「あいつらが、男とこんなことしてると思うか?」


質問しながら、真仁はあたしの胸に触れた。


「思わない」


「そうだろ? 真面目過ぎるのとこっちと、どっちがいいんだよ?」


「こっち」


あたしは返事をして、真仁の額にキスをした。


「じゃあ、今は俺に集中して?」


それから先は真っ白で、よく覚えていない。
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