復讐寮~罰ゲーム~
☆☆☆

「本当にバレてたのかな?」


学校の多目的トイレの中で、あたしは真仁に聞いた。


今は授業中だから、誰かがここへ来る心配もない。


「さぁ……? でも、もしバレバレならもう女子寮には行けないな」


そう言いながら真仁はあたしの太ももに手をはわせる。


「ずっとトイレでなんて、あたし嫌だよ。やっぱり真仁が女装してくれないと」


自分で言ってから、真仁の女装姿を思い出して噴き出した。


「笑い声が大きいぞ」


真仁はムスッとした表情で言い、キスをしてあたしの口を塞いだ。


「知枝が男装して男子寮に来た方がまだマシだろ」


「そうだとしても、男子寮になんて行けるわけないでしょ」


飢えた男の巣窟に入って行く勇気はない。


「なにかいい方法を考えなきゃね」


あたしは真仁のベルトに手をかけながら言ったのだった。
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