復讐寮~罰ゲーム~
「宿題よりさ、亜沙美はそろそろ掃除くらいした方がいいんじゃない? カヤ先輩も言ってたじゃん」


「ん? なにか言った?」


音楽に夢中になっていた亜沙美には聞こえていなかったみたいだ。


また同じことを言おうとしたとき、ノック音が聞こえて来た。


「はい」


亜沙美の代わりに返事をすると、ドアを開けたのは当のカヤ先輩だった。


「平方さん。今日は掃除当番よ」


カヤ先輩は仁王立ちをしてそう言った。


「あぁ……。今日はちょっと体調が悪いんですよ」


「昨日もそう言って、他の子に変わってもらったでしょ」


「昨日は生理です。今日は熱が出てて……」


「熱があるわりに元気そうだけど?」


さすがに今日はカヤ先輩も引きそうにない。


素直に掃除しに行った方が無難なのに……。


「わかりました。ちょっと待っててください」


亜沙美はめんどくさそうに言い、ドアを閉めてしまった。
< 8 / 195 >

この作品をシェア

pagetop