冷徹部長の溺愛の餌食になりました
「そんな言い方するなんてずるい!久我さんの意地悪!」
私のムーッと膨れた顔を見て、久我さんは、それが見たかったと言わんばかりにおかしそうに笑った。
「冗談だよ。日曜、デートするか?」
「はいっ、したいです!」
「じゃあまた、時間は連絡する」
ふたつ返事で頷く私に、久我さんは私の頭をぽんぽんと撫でオフィスへと向かって行った。
やった……初めての一日デートだ!
まさか久我さんから誘ってくれるなんて、嬉しすぎる。
チケットを貰って、私を誘おうって思ってくれたのかな。
そう思うと、彼の胸に自分の存在がちゃんとあるのだと感じられて嬉しい。
その日の夜、久我さんと連絡をし、日曜日の待ち合わせ時刻などを取り決めた。
翌日はひとりで朝から服を買いに行き、久しぶりにネイルサロンにも行き、美容室でカラーリングもして……とデートの準備に1日を費やしたのだった。
そして迎えた日曜日。
自宅最寄の駅前では、ひとりそわそわと待つ私がいた。