冷徹部長の溺愛の餌食になりました
ひとつ、またひとつ、久我さんを知り近づくたびに欲張りになっていく。
代わりでもいい。それでも触れたいと願ったはずなのに。
もっと近くにいたいとか、その目に映りたいとか、あなたの好きな人になりたいとか。どんどん、どんどんと欲があふれ出す。
どんなに触れてもキスをしても、彼の心はここにないとわかっていても。
いつか、どうか、叶いますようにと願ってしまうんだ。
だってどんなに苦しくても切なくても、久我さんへの愛しさが勝ってしまうから。
キスをして抱き合って、その指先が服を一枚ずつ剥いでいく。
もつれながら踏み込んだ寝室で、ベッドにふたりの体が沈む。
一糸まとわぬ姿に、首元にはつけたままのネックレス。
ダイヤが輝くトップが、彼の肌に食い込むほど、その体に力強くしがみついた。
彼と過ごした二度目の夜は、切なさが胸を覆う夜だった。