冷徹部長の溺愛の餌食になりました
◆泡になるまで
彼と過ごした二度目の夜は、一度目以上に深く濃く、肌の感触が残った。
はっきりとした意識の中、腕の中に全身を委ねて、キスと愛撫に溺れて。
今だけじゃなく、この先も、その目に自分が映っているような錯覚がした。
薄く開いた視界を照らす、朝の光の眩しさに目が覚めた。
「ん、あさ……」
昨日の夜は、とってもいい夢を見たなぁ。幸せな気分だ。
でも久我さんに再び抱かれる夢を見るなんて、私欲求不満なんだろうか……。
寝ぼけた頭で、そんなことを考えながら体を起こす。
けれど、そこは見覚えのある広い寝室で、さらに自分は下着すらも身につけていない状態で……。
って、夢じゃない!!
そうだ、昨日は久我さんの家に来てお風呂を借りて、キスからそのまま寝室へ向かって……。
昨夜の彼との時間をはっきりと思い出し、頬がボッと熱くなる。
あれ、でも久我さんは?
そう思いながら、とりあえずベッドの周りに散らかったままの服を着て寝室を出た。
そして様子を伺うようにリビングをのぞくと、奥のキッチンからお皿を二枚手にした久我さんが姿を見せた。
「おはようございます」
「起きたか。ちょうど今起こそうかと思ってたところだ」
彼はそう言って、お皿をリビングのローテーブルに並べた。
見るとテーブルにはきれいに焼かれたベーコンエッグやトースト、コーヒーが並べられていておいしそうだ。