不器用な僕ら
ワイワイ、ガヤガヤとクラスメイトの話し声が聞こえる。

せっかく急いで教室に来たっていうのに、ここはここでうるさい…。
でも、廊下よりはマシだから我慢しよう。

自分の椅子に座ると、私は周りを見渡す。
やっぱり2年生というだけあって、ほとんどの生徒はもう打ち解けあっていた。

…っ!

偶然、隣の席の男子と目が合った。
気まずくなって私から目をそらす。
でもなんだかあの男子、なんとなく私と似たオーラを感じるな…。

どこか冷めた目、他人とは群れないところ。

しかし、悔しいが私と違って顔は悪くない。
自然でカッコイイ黒髪、つり目気味の目、そしてそれらをさらに引き立てるシャープなシルバーの眼鏡。

芸能人には多少劣るかもしれないが、世間的には十分整った顔だ。
おそらく、今までたくさんの人に告白されたのだろう。

それに比べたら、私の容姿は中の下かそれ以下だろう。
相変わらずこの世は私に理不尽だ。
< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop