不器用な僕ら
「…おい、何見てんだよ?」

うわっ…!さっき目が合った男子から話しかけられた!

「…いや、なんでもないけど」

私はとっさに言い返す。あえて声を低くして、機嫌が悪そうに。

「あっそ。用がないなら勝手に見ないでくれるかな?いちいち気が滅入るんだけど」

アイツはもっと不機嫌そうに言い放った。

「は?初対面でその態度?さすがに人としてどうかと思うんだけど」

アイツの言葉に怒りを覚え、私は勢いのまま反論した。

「それはお互い様だろ。お前の方が人としてどうかしてないか?」

いちいち癪に障る奴だ。

「だから何?アンタに比べたらかなりマシだと思うけど?」

…ヤバい。かなり大きな声を出してしまった。

その途端にクラス中の視線が私たちに集まり、ザワザワとした声が聞こえる。

アイツもそれに気づくと、舌打ちをした。

「…もういい。一生話しかけてくるな」

私は完全に喧嘩腰な態度だったが、アイツは面倒な顔をしてそっぽを向いた。
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