あんたなんて大っ嫌い!!
あいつの目は本気で、
私達は何も言わずに黙々と登り続けた。
ところが
「カァカァカァー!」とカラスが鳴いた瞬間
私が手を離しそうになった。
するとあいつが私の手をしっかり包み込み、
「大丈夫、俺がついてるから・・・」
あいつが、嫌、棗が俺と言っているのを初めて聞いた。
本当に強い志が伺えた。
そして裏山を登り終えた時、いつものあいつに戻った。
「僕一度、風ちゃんとやってみたかったんだ〜」
と言いながら話すあいつ。
「あたしが危ない目にあったらどうすんのよ!?」
とあたしが怒りながら言えば・・・・
「風ちゃんは怖いからみんな逃げてくよ」
と小さな声でほざくあいつ。