泣いた、緋鬼
第1章 カウトンダウンの始まり

*side 希

俺にとって、繰り返される日常は何も無い退屈な世界。

朝起きて、飯食べて、学校行って、寝て。

刺激が足りない。


俺はいつだってこの世界に刺激を求めてる―――。




「ねぇねぇ、君可愛いねー、俺らと一緒に遊ぼうよー」

「っ、やめてください!」



―――見つけた。




俺に刺激をくれる者。

「おい、テメェ、無理矢理なナンパはどうかと思うぜ?」

「ああ?!なんだ、テメェ?!」

一歩そいつに近づくと、男は俺に威嚇する。

馬鹿な奴だ。

この町で俺に喧嘩を売るなんて。

「俺はこの町を支配してる暴走族の総長、宮家希(みやけ のぞむ)だ。名前くらいは聞いたことあんだろ?」
< 1 / 170 >

この作品をシェア

pagetop