泣いた、緋鬼


だけど、言わなきゃいけない――。





言わなきゃいけないんだ――。





覚悟を決めて、深く息を吸う。

「希くん、あのね……!実は、幻夢くんが死んじゃったの、私のせいなの‼」





「―――は?」






希くんは眉間に眉を寄せて私を見ている。






―――ああ、もう嫌われた。






「実は、幻夢くんの手術、母がしてたんだけど、手術の途中で私が発作起こしちゃって――。





それで、母が新人の医者に任せて手術を放棄しちゃったの。




―――そのせいで、幻夢くんは、死んじゃったの……。それを……昨日知って………」

言いながら、ポロポロと涙があふれでる。

私が泣くところじゃないって分かってるんだけど、でも、私のせいで幻夢くんが死んでしまったと思うと、辛かった。
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