泣いた、緋鬼
「…えへへ」





―――知らなかったな。




好きな人に「可愛い」って言われるのは、こんなにも嬉しいことなんだ。

「希くん…、私ね、今日退院するの。高校もまだ先だけど行けるんだよ」

「うん」

抱きついたまま希くんと話していると、ドクドクと希くんの大きい心音が私の体に響いてくる。

希くん…、ドキドキしてるんだ……。

「そしたら、希くんとおんなじ高校行けるんだよ。放課後デートも、出来る…」

「うん…。言ってなかったっけ?俺、男子校だよ」

「えっ⁉」

衝撃の事実に希くんから体を離す。





「――まぁ、でも、未菜が望むなら俺が高校まで迎え行って放課後デートしてやるよ」



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