泣いた、緋鬼
「…そうか。じゃあ、俺はここまでにしとく。気つけろよ」

そう言って、希くんは私にヒラヒラと手を振ると、バイクで走り出した。

「もう少し一緒にいたかったなぁ…」





――――なんて。





実は、今日やっと希くんのLINEをゲットしたんだ。

それだけでも十分幸せ。

希くん曰く【会いたい】って送ったらすぐに会いに来てくれる、って言ってたっけ。





―――まぁ、でも、希くんは[幻夢]の総長だし[鳳凰]と今争ってるらしいからそんな我が儘は言えないんだけど。





少し寂しいと感じながらも歩き出す。

長年のベッド生活で鈍ってしまった筋力をとりもどさなきゃ。
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