泣いた、緋鬼
「僕もそろそろしなきゃとは思うんだけど…、やる気が出ないんだよねー」
誠は笑って手をヒラヒラと振るとまた鏡に向き直る。
「――そうか。なら今は良い」
希は鏡とにらめっこをしている誠に呆れながらソファに座った。
「受験、か…」
誠も、将太も、希も、高校三年生で大学へ入れば、自然と族から離れていく。
そうなる前に、次の総長を決めなければいけないのは、希にとって難しい問題である。
希は大きく息をはくと、ソファに身を委ねる。
―――そのときだった。
バァァン!と激しい音をたてて、幹部室のドアが乱暴に開かれた。
入ってきたのは、顔を真っ青にした慶太だった。
誠は笑って手をヒラヒラと振るとまた鏡に向き直る。
「――そうか。なら今は良い」
希は鏡とにらめっこをしている誠に呆れながらソファに座った。
「受験、か…」
誠も、将太も、希も、高校三年生で大学へ入れば、自然と族から離れていく。
そうなる前に、次の総長を決めなければいけないのは、希にとって難しい問題である。
希は大きく息をはくと、ソファに身を委ねる。
―――そのときだった。
バァァン!と激しい音をたてて、幹部室のドアが乱暴に開かれた。
入ってきたのは、顔を真っ青にした慶太だった。