泣いた、緋鬼
「――どうした、慶太。入るならノックくらいしろ」
希が眉間に眉を寄せて慶太に注意する。
「――すいません!でも、大変っす!総長の女が[鳳凰]に連れ去られたっすよ!」
「――はぁ?!どう言うことだよ!」
希がソファから立ちあがり慶太の胸ぐらを掴む。
「てか、何でお前が俺の女を知ってるんだよ…?」
異常な威圧感を醸し出して希が聞く。
慶太は目をキョロキョロと泳がせて答えた。
「それはっ…、総長と、将太さんの話を実はあのとき聞いてて…」
「――チッ!」
希は乱雑に慶太を離すと、すぐさま特効服に着替える。
「――おい慶太……。下の奴等に伝えろ。今日で[鳳凰]と決着を着けるってな―――!」