泣いた、緋鬼
無邪気に聞いてくる未菜に毒づこうにも毒づけなくて、俺は渋々答えた。

「『血で拳が赤くなるまで殴り続ける集団』。俺たちはそんな風に思われてて、そこから赤い拳って意味の[レッドナックル]って言う通り名が広まったんだ」

言ってて心がキリキリと痛くなる。

俺たちは町の奴等を自分勝手な鳳凰から守ってやってるのに、こんなふざけた通り名のせいで怖がられてる。

確かに、怒ると相手を殴りすぎて病院送りにすることはあるが、それは俺だけで他は違う。




俺がこんなだから、あいつらにも被害がおよんじまう――――。





「そっかあ。初めて知ったなぁ」

未菜はニッコリと笑って俺に言う。
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