泣いた、緋鬼
第2章 心ここにあらず
*side 未菜
「―103号室の未菜ちゃん、小さい時からずっと病院暮らしで学校に行ってないんだって――」
「え、それって何かの病気で―――」
「別に運動とか出来ないってだけで、学校にいけないわけじゃないのよ?―――――ほら、未菜ちゃんのお母さん、過保護だから――――」
「―――ああ、面倒なことになりそうだから未菜ちゃんには近づかない方が良いわね」
「――――な、未菜、未菜!」
「――――ハッ?!」
母の声で目を覚ますと、すぐ目の前に焦った母の顔。
「――――ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」
そして、始まる呼吸困難―――。
「未菜、落ち着いて!ほら、息を大きく吸って!」