泣いた、緋鬼


きっと、母の痛みが分かるから、こんなに酷いことを言われても受け入れているんだ――。




将太さんはグッと唇を固く結ぶと、勢いよく頭を下げた。

それに合わせて[幻夢]の人たち全員が頭を下げる。

「大事な娘さんを守りきれず、申し訳ありませんでした‼
今、総長の希は怪我で寝込んでいまして……、代わりに、副総長である俺が謝らせていただきます‼本当に、すいませんでした‼」

「「「「すいませんでしたぁぁ‼」」」」

将太さんのあとに続いて全員が謝る。

「あなたたち、[レッドナックル]なの……?」

母が驚いた顔をして口元に手を当てる。

将太さんが顔をあげて答える。
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