泣いた、緋鬼
「今居さん、ずっと病院に居ますけど、学校に行きたいとか、思わないんですか」

看護師さんの言葉に、一瞬にして顔がひきつった。




「あ、いや、別に変な意味じゃなくて、今居さん、本来なら高校生でしょう?それなのに、5歳から外に出たことが無いって聞いたから――」





看護師さんは気まずそうに顔をそらす。

本当は、すごくいきたい。

だけど、私はそれを許されない。

本当なら学校だって行けるはずなのに、母が私を病院から出したがらない。

学校で脅かされて心拍数が上がったらどうするの。

友達と遊んでて、興奮して、倒れたらどうするの。

生まれつき弱い私の心臓は、心拍数の増加に耐えられない。
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